「セラピューティック・スパ」は弱いのか
0、概要
「救え！アマゾネス・ドットコム～ＣＥＯクライシス２０２０～」報酬礼装「セラピューティック・スパ」評判があまりよくない気がする。
①ATK補正じゃない→アタッカーにつけるともったいない
②NP獲得量UPがある→カードを切らないサポーターにつけるともったいない
③総合して「中途半端」「もう少し数字盛ってくれれば…」
という評のようだ。百理ある。しかし「サマー・リトル」等、一線級ではないにせよバランス型で評判の良い礼装も存在する。「セラピューティック・スパ」も同じく、バランス型だけどアタッカーにつけちゃっていいタイプなのでは？という話をしたい。目新しい話になれば嬉しい。*1「星4個礼装としては使い道がある」という結論になる。
1、「セラピューティック・スパ」はアタッカーにつけてもよい
①槍メドゥーサにつけてみる
なぜ「セラピューティック・スパ」はアタッカーにつけてもよいのか。それはNP効率への影響力が巷で言われているほど低くはないからだ。試しに槍メドゥーサにつけてみる。イラストに出てるので。
この表は「カードが一巡する3ターンの間、3人パーティー中の槍メドゥーサが自身のNP獲得を最優先した手を切り続けた場合の総獲得NPの分布」を表している。*2例えば一番右端、「a6枚パ」というのはメドゥーサのA以外にAが6枚あるパーティーつまり術サンド構成等を指す。*3「AQAEでNP○○獲得だからこいつNP効率いいね」→「でも毎ターンAQAEできる想定ってもはや単騎かTAじゃん？」というもやもやをある程度解消している。この表を見ればある鯖のNP性能のみならず、NP獲得カード枚数まで加味したNP効率を知ることができるのだ。すごい。多少まし！*4
この表を使って「セラピューティック・スパ」と「天の晩餐」*5を比較することで「セラピューティック・スパ」の偉さを紹介したい。
②「NP15%UP&NP3獲得」>「NP30%UP」！
まず槍メドゥーサにNP獲得量UP30%礼装を装備してみる。
次にNP獲得量UP15%礼装を装備してみる。
わかりにくいので期待値でまとめる。
NP獲得量UP15%が30%に負けている。「セラピューティック・スパ」の毎ターンNP+3をまだ足していない。
足した。3ターン×3=9！無事「セラピューティック・スパ」が「凸天の晩餐」に勝利した。結論今回条件で言えば、槍メドゥーサに装備するなら、「セラピューティック・スパ」の効果は【毎ターン星4個獲得&NP獲得量30%UP】と読み替えてよさそう。*6たかが「NP+3」と侮ってはいけない。
NP獲得量30%UP+αの礼装はいくつか実装されているが、星生みを兼ねたものはまだない。「星4個」を重く見るなら、そこに並ぶ性能なのだ。つよい。
③「NP15%UP&NP3獲得」>「NP30%UP」？
もちろんこれは槍メドゥーサに装備した時の話。槍メドゥーサ以上のカード性能を持ったサーヴァントならここまでの効果はないかもしれない。*7カード構成も多分影響する。他にも大量に突っ込みどころはある。「被弾を考慮してない」「バフもないやん」「なんで3ターンで見てるの？」「そもそもこの表あってるの？」しかし「セラピューティック・スパ」のNP効率支援が天の晩餐並みに働く場面があるというのはわくわくする。なぜなら星4個というのはFGOの性能調整上結構重く見積もられているので。*8
④星4つ礼装の抱き合わせ効果はレアリティ換算で未凸星4相当が相場
「性能調整上重く見積もられている」というのは抱き合わせ効果が案外おとなしいということ。例えば「至るべき場所」は星5の星4個礼装だが、星4個出す以外にできるのは初期NPチャージ50%。凸「竜脈」だ。このような抱き合わせ効果の対応を全ての星4個礼装で一部まとめてみた。(下画像)
表から言えそうなことは2つ。まず星4個礼装(特に配布)の抱き合わせ効果はレアリティ換算で未凸星4相当が相場ということ。これは対応をざっと見渡した時の所感。「未凸星4礼装相当の抱き合わせ効果が多い」「凸星4相当のものもあるが中には凸星3礼装程度のものもある」から。次に性能設定はガチャ産>配布ではないかということ。これは「カルデアを導く乙女」を見た感想。他の単色バフ勢は倍率20もらえてるのにBだけ15しかない。ほぼ火力しか上がらないBバフこそ倍率高めでいい気がするくらいだが15止まり。配布orガチャの差と予想した。(「デンジャラス・ビースト」「ショコラティエ」の抱き合わせ効果が例外的に凸星4礼装並みなのもガチャ産だがらと予想)*9*10
・星4個礼装の抱き合わせ効果はレアリティ換算で未凸星4相当が相場
・性能設定はガチャ>配布
⑤「セラピューティック・スパ」は星4個礼装としてはお得
話を「セラピューティック・スパ」に戻す。「星4個礼装の抱き合わせ効果はレアリティ換算で未凸星4相当が相場」ということは、NP獲得量UPを星4個に抱きわせた場合、その倍率は未凸「天の晩餐」程度、25%UPが相場なはずということだ。そしてまさにその通りの礼装が存在する。
「狐の夜の夢」
ステータス補正もHP1600ATK1000で「セラピューティック・スパ」と全く同じ。ガチャ産の評判の良い礼装だ。しかし槍メドゥーサに装備するなら「セラピューティック・スパ」の効果は【毎ターン星4個獲得&NP獲得量30%UP】と読み替えてよかった。つまり「セラピューティック・スパ」は「狐の夜の夢」礼装の上位礼装として機能しうる。
配布を始め大量に存在する星4個礼装界隈だが「セラピューティック・スパ」は、
１、未凸星4が相場の星4個礼装界隈で、凸星4並みの抱き合わせ効果を持っている
２、ガチャ＞配布の界隈で、ガチャ産礼装「狐の夜の夢」に勝つ可能性を持つ
以上2点から相対的においしい礼装と言える。
「至るべき場所」のおまけはNP50、凸竜脈がくっついているに過ぎない。「セラピューティック・スパ」は星4礼装凸天の晩餐がくっついた星4個礼装という時点で、実際に既存ガチャ礼装に比肩しており、強いかどうかは置いといて間違いなく「お得」である。
まとめ
・「セラピューティック・スパ」は実質【毎ターン星4個&NP獲得量30%UP】かも
・プリコス＞天の晩餐≧セラピューティック・スパ
・アタッカーにNP獲得量30%UP礼装を使うマスター！星4個を重視するならお勧め！
・強くないとしても少なくともお得な礼装
おわり！
2、本当にアタッカーにつけても良いのか~100%信者のためのクリティカル
おまけ。「星4個を重視するならお勧め！」これは星4個を重視するかどうかの価値判断を投げておりずるい。なので価値判断の一例として、100%信者*11の観点から「そもそもアタッカーに星4個礼装つけたい場面って存在するの？」ということを考えたい。
アタッカーに星4個礼装をつける。この発想には大きな課題がある。
「アタッカーならスター集中礼装つけちゃえば？」
確かに！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！
(1)アタッカーが着る星4個礼装に使い道はあるのか
①競合は「ダンス・ウィズ・ラウンズ」
「アタッカーに星4個礼装をつけたい≒アタッカーのクリティカル増やしたい」だろう。スター集中礼装でよくね？は効く。「アタッカーのクリティカル増やしたいならスター集中礼装が強い」これは体感でわかるくらい顕著だと思う。(サポーターのクリティカルに寄与する等優位性はある)*12しかも競合礼装が出てしまっている。
「アタッカーに『セラピューティック・スパ』をつけたい≒クリティカル増やしつつNP稼ぎたい」だろう。固定NP獲得をNP獲得量UP相当値に変換した前述の考え方からすれば丸被りといっていい。
②スター集中礼装を着せにくい鯖に着せる
もちろん「ダンス・ウィズ・ラウンズ」のNP獲得量UPは凸でも25%にとどまる。NP面では「セラピューティック・スパ」が勝る場面が多いだろう。しかし「ダンス・ウィズ・ラウンズ」はATK補正全振り2000。スター集中600%というのもアタッカーSW100を術サンドするパーティーで見れば、必要星を11～16個程度節約する効果がある*13。総合的には凸「ダンス・ウィズ・ラウンズ」が勝るだろう。
こうなってくるとアタッカーが着る「セラピューティック・スパ」に残された道は1つしかない。スター集中礼装を着せにくいサーヴァントに着せる礼装としての役割だ。スター集中度が高いほど相対的に星生産が強くなる。スター集中礼装を着せにくいサーヴァントは次の２つが考えられる。
１、自力でスター集中を持つサーヴァント（例、始皇帝）
２、素でSWが高いサーヴァント（例、ライダークラス）
今回は２を考える。
③星4個がスター集中+600%に勝つ場面
「２、素でSWが高いサーヴァント（例、ライダークラス）」と言ったが、ライダークラス程度のスター集中度で星4個がスター集中+600に勝つ場合などあるのだろうか。100％信者目線で見てみる。
例えば画像一番左上のセルの「20」は「SW200のアタッカーに+600%礼装をつけてSW10二人で挟んだ。この時、アタッカーのカードを2枚引いた。その2枚どちらもが100%クリティカル状態になる確率が10%を超えるのに必要な星の数はいくつか？」「20個」ということを意味している。 以前自作したもの。*14
この表を使い、アタッカーSW200の時星4個礼装がスター集中+600%に勝つ場面の有無を考える。
単純に引き算したもの。アタッカーSW200の時星4個礼装がスター集中+600%に勝つ場面は存在する(赤部分)。結論100％信者目線では、騎狂狂パくらいでないと星4個礼装は集中礼装に勝てない。妥協して讐サンド、さらに妥協して騎狂術パでぎりぎり集中礼装互換と言い張れる程度か。
(2)「セラピューティック・スパ」に使い道があるのか
かなり厳しい感じ。しかし騎狂狂パなら騎に『セラピューティック・スパ』をつけたほうがおいしいことになる。奇跡的に該当しそうな騎が存在している。狂と相性良さげな騎「司馬懿(ライネス)」だ。
①ライネスにとって「セラピューティック・スパ」は最適の星4個礼装か
しかし司馬懿はA性能が高い。「次期当主会議」「狐の夜の夢」のほうがNP効率への寄与度が高いかもしれない。先と同じように期待値で確かめてみる。Aパで使うことが多いと思うので、A以外のカードhit数を0とした時の3ターンNP効率で見てみる。(≒A以外カードを振らない時の3ターンNP効率)*15
結果。「セラピューティック・スパ」が最もライネスのNP効率を高める。ライネスに着ける星4個礼装としては、「セラピューティック・スパ」が最適かもしれない。*16
②具体的パーティー
狂狂騎はさすがに現実的ではなさそう。しいて言えばタニキタニキライネスだろうか。
現実的には横に流れる星を重視して騎狂術。例えばライネス婦長マーリンパでは「セラピューティック・スパ」をライネスに着ける価値があるのではないのではないかと考える。ライネスのAにコードフォーカスをつければ2枚手における50%ラインの要求星は29個。マーリンの宝具で5個、凸欠片2枚で20個、セラピューティック・スパで4個計29個となりぴったり100％信者の教義に沿う。
(3)「セラピューティック・スパ」は星4個礼装としては使い道がある
以上あくまで一例。100%信者というニッチな縛りプレイヤー視点からの話だった。
100％信者視点では星4個礼装自体の採用が厳しい。その中でNP面で活躍が期待できる「セラピューティック・スパ」は使い道がある部類に思える。最近はコマンドコードでSW+100%するものが出てきている。SW100鯖でも疑似的に200になれる。騎のSWでもスター集中より星4個礼装が強い場面があるというのは心の端に留めておいてもいいかもしれない。「セラピューティック・スパ」はバランス型だが、星を集める騎に着ける場合など、アタッカーにつけても良い礼装かもしれない。おわり。
*1:肯定意見の多くも「中途半端だけど星4個+固定獲得の特化礼装もまだ出てないし、サポーターにつける分には有能では？」といった様子に思える。
*2:全攻撃がクリティカルする想定。オバキル無し。DTDR1.0相手。宝具無し。Qでバフ無し。サポーターのA宝具が溜まることによるAチェイン確率、1stA始動確率の増加は無視
*3:雑魚の自作で信用ならないが他に作ってくれる人がいないため長らく信憑性を疑問視つつ使っている表。
*4:合ってるなら
*5:NP獲得量UP30%
*6:よくない
*7:Ahit>Qhitの印象が強いアナだがN/A補正を貰っておりA性能は悪くない。並程度のNP効率はある。
*8:星6個とかにしてほしいという意見も見るが、そうすると調整がめんどくさいからテンプレ的なNP50とかと組み合わせて相当というラインを逆算的に引いた結果の星4個なのだと思う。重く見積もられているというかプレイヤー感覚に反して適正値で見積もられているという表現が正確か。
*9:実装時期という可能性もあるけど調べてない
*10:※「ぐだお」周りは闇が深すぎて思考放棄。ノイジー・オブセッション、誉れを此処に
*11:星9個で外すクリティカルの邪悪さを信じ手中のアタッカーカードに星10個づつ集め続ける縛りプレイヤー
*12:が地味すぎて多分人気がない。サポーターのクリティカルを重要視する人なら欠片3積み+マーリンくらいやるはず。プリコスと欠片の折衷的役割になる「セラピューティック・スパ」に向ける目はなさそう
*13:100%信者目線50%ライン
*14:よって信憑性は低い
*15:DTDR1.0想定。全クリ想定。オバキル無し。バフはクラススキルのみ考慮。
*16:BQも振る想定だと僅かに狐の夜の夢が勝つ。DTDRを対術にするか否かでも結果は分かれると思われる。
